透明の糖分

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カーテンから透けて見える淡くて暗い色が、起きてすぐの目にはとても優しく感じる。まだあまり頭が回っていない私はぼんやり染まる部屋を、天井を見つめ何となく心地いいなと思った。

それにしても微妙な時間に目が覚めてしまった。起きるにしては早いし寝るにしてもキリが悪い。
少し伸びをした後、何を思ったかカーテンの向こうを覗いてみた。

そこに広がっていたのはまるで水彩画で描いたような霞がかった空とぽつぽつ灯っている明かり達、
それを見て私は何とも言えない気持ちになった。
満たされたような、切ないような、このまま空に飛び出したくなるような、



こんな時間や感情を独り占めできるなんてすごく素敵だけど、
どこか離れた場所で、
もしくは実は近くで、
自分と同じように窓の外を見つめている人がいると思うとそれもまた美しいなと思う。

9/13/2023, 2:43:16 PM