ぷー

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「夢を見たんだよね。」

彼が僕の方を見ながら呟いた。

「へぇ…どんな夢…?」


放課後の教室。僕ら以外に残る生徒はいない。
夏の午後の気怠い空気の中、帰るのがなんとなく面倒で、2人でポツポツと話していた。

夢の内容に大して興味もなかったが、話しの続きを促す。別に彼の話しを遮って話したいこともない。


彼は頬杖をついたまま、僕を見つめ口を開く。

「君が、」



「僕を殺す夢。」



「この窓から僕のことを突き落とすんだ。」
彼はうっすらと笑みを浮かべながら僕を見ていた。

開いた窓から風が吹き込み、夏の生温い空気が顔に当たる。カーテンが風に膨らみバタバタと音を立てている。



「縁起でもない夢だな。」
僕は顔をしかめそう返す。

彼はまだ笑みを浮かべたまま僕を見ている。
「そうだろ。だが夢は人に話すと実現しないというだろう。だから言ってみたんだ。」

話したことで満足したのか、彼は
帰ろうぜ、と鞄を持って立ち上がり、そのまま教室を出て行こうと歩きだす。
僕も同じように鞄を持ち立ち上がる。そして彼の背中について歩きながら考える。

どうして気づかれた?

1/23/2023, 5:53:21 PM