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「遠くの空へ」

何ら変わりのない紅に染まる通学路で、昔からの親友サヨリが重々しく口を開いた。
「ユウちゃん、私引っ越すことになったの」
「引っ越し?どこに?」
「海外だよ。お父さんの仕事の都合でそうなったみたい」
その話はあまりにも突然なもので、ただの冗談なのでは無いかと思ってしまうけれど彼女の表情がそれを否定している。ずっと隣にいるのが当たり前だと思っていたばっかりに、気持ちの整理がつかない。でも2度と会えないわけじゃない。連絡を取り合う手段はいくらでもあるし、いざとなれば会いに行くこともできる。この雄大に広がる同じ空の下にいるのだから。

4/12/2024, 4:26:19 PM