彼女の『安らかな瞳』が、瞬きもせずに私を見つめている。
彼女は私の作業机のすぐ脇の棚の上で、すっかり眠りの体勢……キジトラと呼ばれる芸術的な毛皮に覆われた前足もしっぽも、体の内側すっかり収納済み、ふっくら体型がふっくらを増して、私を見つめていたはずの瞳も、重たくなったまぶたのせいで、どんどんと細くなってゆき……。
ああ、神様。
彼女はアナタが遣わした、眠りの精なのですね?
私は彼女に誘われるがまま、夢路へと旅立っていい……そうですよね?
そう、レポートの提出期限が明日ってのはきっと、どこか遠い国の話。
本当に、なんで……なんでこんなに、気持ちのいい……眠るって、眠れるって本当に、なんて幸せなことなんだろう……。
あー……意識が、溶けるぅ……。
ぐう。💤
「……って、また、なっちゃうからね? だからね、いまこの部屋には入れてあげられないの、許して、お願い!」
「にゃ〜」
「わーん、かわいいよぅ……でもダメ、二時間は絶対、集中しないとだし」
「にゃ〜ん?」
「っ、前足でドアをカリカリしてもダメなの〜!」
「にゃっ」
「あっ、こら! 待って、またその棚の上……お願いだから、そこで丸くならないでってばー!泣」
3/14/2026, 11:17:46 AM