すい

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君が思っている通り、私はこの先もきっと君を忘れない。


君の嘘を黙って飲み込んで、
君の中途半端さに振り回されてきた日々。

君が容赦なく振りかざした正義が痛かった。

君の破壊的な魅力が手放せなくて苦しかった。


でも、この関係の曖昧さを一番楽しんでいたのはきっと私。


言葉にしようとすると、
手からするりと抜け落ちてしまうような2人の関係。

ただ通話だけして、軽く喋って、笑って、またねで終わる。

未練のないふりをして、
未練まみれの言葉を交わす私たち。

責任も義務もない、そこに放り投げられただけの居場所。

それを手放せなかったのは、君も私も同じだった。


私たちは何度もすれ違って、確かにお互いを嫌って。

まるで腫れ物に触れることを拒むかのように、
その存在を忘れることを望んだ。

でも…どうしてもできなかった。


離したかった君の手を自ら振り払えず、
聞くべきじゃなかったその声に縋った私。

忘れようとして、でも振り払いきれず、
手放さないまま私の気持ちを試し続けた君。


まるで傷痕をなぞるように、傷口を誤魔化すかのように。

私たちは何年も、
お互いの姿をどこかで確認することをやめられなかった。


だから私たちは、きっと終われない。

あの時間を、この関係を。

忘れることなど、きっとできない。




                 ___きっと忘れない

9/8/2025, 2:48:27 AM