物憂げな空
彼が帰ってきた。物凄く疲れた様子だ。
私はベットの隅で彼を見つめる。
彼は風呂に入り晩飯をかきこみ、酒に呑まれるようにして眠りについてしまった。
寝てしまった彼の頬を撫でる。痛そうなニキビを見て胸が痛む。
朝。彼が起きてきた。いつも通り疲れた様子だ。歯磨きする彼に後ろから抱きつく。
彼のぬくもりを感じないことに気づかないふりをしていた。
彼が家を出ていく。
閉まる扉の音に合わせて泣き崩れた。
彼は今日も帰ってくる。明日も明後日も同じルーティンで家を出て帰ってくる。
ただそのルーティンが崩れることはもうない。
彼の遺影を親指の腹で撫でる。
可愛い顔だった。とても可愛い良い笑顔だった。もう私に笑いかけてくれることはないんだな。
私は彼の最後の日を繰り返している。
2/26/2026, 4:17:14 AM