あまい
大森靖子さんの、「あまい」という曲で心の優しい部分と辛い部分がすり減っていくのを感じた。23時にじわじわと涙を溜める女が一人。
超不安だから超食べちゃう。女の子もそう歌っていてひとり、お腹を空かせたまま呟くような甘い歌声を聴いた。
目の前にはお母さんがヘタを剥いた苺が真っ赤に横たわっていて、実って死んだ果実だった。本当に見るともっと暗い陰をしている。
「あとで食べるね」が嘘になって、結局私はこの苺を食べない。お母さん。3ミリと1ミリが二個の薬を毎日用意して、眼鏡越しに見える目を擦っていま眠った。
「太っていいよとか言わせちゃう
ちゃらんぽらんだった君の方がちゃんとしちゃうくらい甘えちゃう」
呟くように歌われる。相手を想うばかり重く苦しくてまた自分を責めて大好きな人からすり減った優しさを渡される苦しさ。
0時を過ぎて、夜から始まった今日も昨日と同じ薬が転がった。
3ミリのピンク色の錠剤と青い1ミリの錠剤が出されて、それを私はつっぱねて薬用の水だけがすり減る。生温い水の甘さになんだか私が悪いみたいで、温められた水だけを一口、大きく飲み込んだ。
この歌みたいな、食べ過ぎる苦しさとはまた別の優しさで用意されたものを拒絶する辛さだった。
4/24/2026, 2:57:36 PM