毎日毎日、残酷で、悲惨な日々で…
どう生きていけばいいのかもわからなくなった。
雨の中、傘もささずに、
僕は、どこへ向かっているのかもわからないまま、歩く。
空を見上げても、重い、分厚い雲で覆われている。
僕は大きなため息をつく。
僕は背負っていた荷物すべてを投げる。
雨が降るこの道に人影などなく、
不様に放り投げた僕のリュックサックだけが、
ぽつんと置いてあるだけだった。
僕は叫ぶ。
なにもかも嫌になった。
全ての選択を間違えた。
消えたい。
消えさせてくれ。
そう、叫ぶ。
その時、僕の目の前に、小さな女の子がいた。
僕は驚いて、叫ぶのをやめた。
「大丈夫?」
ほんの一言だった。
雨が降る中、その子は傘をさして、僕に尋ねた。
僕は、なんとなく頷いた。
すると、女の子はにこりと笑って、僕の手を引っ張った。
僕は、なぜか、女の子と共に走った。
普通は止めるべきで、止まるべきだ。
なのに、僕は走っていた。
雨が止んでいく。
そして、走りながら空を見上げる
満天の星空が広がっていた。
僕は驚いて、止まった。
足を止めた。
綺麗だった。
「お兄さん、お兄さんは笑っていたほうがいいよ。」
女の子が言った。
どうやら僕は笑っていたらしい。
僕はお礼を言うため、声がしたほうを見る。
「ね、ありが…」
誰もいなかった。
僕は戸惑って周りを見渡す。
しかし女の子は見つからず、僕が放り投げたままのリュックサックだけが残されていた。
走っていたはずなのに、先ほどの場所と変わらない。
ふと、母親の言葉を思い出す。
「あなたが生まれる前にね、もう一人、可愛い女の子がいたのよ。でも、交通事故で亡くなってしまって…」
ああ。
僕は道の片隅に花が添えられているのが見えた。
ここだったのだ。
ここが僕のお姉ちゃんが亡くなった場所だったんだ。
そして、お姉ちゃんが、僕を笑っている方がいいと、言ってくれたんだ。
星が溢れる空の下で、僕は放り投げたリュックサックを手に持って、花が添えられている場所へ行き、手を合わせる。
「お姉ちゃん。ありがとう。」
3/16/2026, 6:53:27 AM