ヨルガオ(短編小説)

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放課後

3階の窓から、私は身を乗り出す。

不安な気持ちを抑えて、運動場を見回す。

……いた。

その瞬間から、私の視線の先には彼しか居ない。

ああ。彼の視線の先に、私が居たら…

……なんて。変な妄想。

本当に片想いって厄介だ。

私と反対方向に笑顔で手を振る彼の目には

私じゃない女が居る。

叶いっこないのに、願ってしまう。

彼の視線を独り占め出来たら…。


ー視線の先にはー

7/19/2023, 10:10:21 AM