『鋭い眼差し』
佳奈ちゃん。
僕は、4年前のあの日から君が好きだ。
囚われて、見世物にされてたあの場所から、僕を連れ出してくれた。
君の、おはようと笑いかけてくれる顔が、名前を呼ぶ声が、僕は大好きなんだ。
君の幸せを誰よりも願っている。
君の泣いてる顔なんて見たくない。
涙を拭ってあげたい。
なんて、無理な話だよね。
僕は、君のことをずっと見てるよ。
君の話をずっと聞くよ。
それしか僕には出来ないから。
だから、笑って。
「おはよう〜、きょんちゃん」
良かった、昨日の顔が嘘みたいに元気な顔だ。
「昨日も、話聞いてくれてありがとね。」
「私、切り替えて頑張るよ。」
そうやって今日も、僕のために餌を入れてくれる。
ガラス越しの君が少しぼやけて見える。
「いっぱい食べてね〜、きょんちゃん。」
10/15/2024, 10:50:28 AM