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わたしは生まれた時から、胸の鼓動が“普通”の人とは違うらしい

先天性心疾患。

いつも心臓図を図るときも、聴診器で当てられる時間も、他の人よりもとても長い。

なぜかというと、平常時でも心臓から常に雑音が混じっているからである。

だから気付かなかった。不整脈と、動悸の違いにも

動悸が長く続いても、生まれつきのものだからと
ずっと放置し続けてきた

本当はそこに病気がずっと隠れていたのに。

…と、まぁなってしまったものには文句を言っても仕方ない。
そういうわけで、体調の悪い時は胸の鼓動によって違うこともあるし、そういう点では分かりやすい。

子どもの頃は、マラソンが大嫌いだった。
走ると胸が痛くて、苦しくて、とても走れそうにないのに、他の子達はとびっきり速く楽しそうに走っているのが不思議でならなかった。

走り終えた後も息苦しさが続いて、心臓が大きく動いて痛くて落ち着かなかったし、泣きたくもないのに痛くて泣いてしまうほどだった。

どうして自分だけ?
後になってから、自分は赤ん坊の頃に心臓に穴が空いていた。それは自然と塞がっているのだが、今も雑音が混じってる-と親から教えられた。

だからか、と納得はできたけれど、それでも人より心臓はあまり強くないから-やっぱり運動は苦手なままだ。

心臓の強い人が羨ましいと思ったこともあるけれど、もう走りたいとは思わない。
学生の頃はコンプレックスでもあったが、今は比べられることももう無い。

ただ、一度だけでいいから、誰かの身体と入れ替わってみたい。
“普通”の人の胸の鼓動は、一体どのように響いているのか。

9/8/2023, 11:50:00 AM