昏い目をしている。
(変わらない)
人の感情を見て真似てうまくやっているが、鏡の自分を前にすればそのままを写す。
淀んだ沼。
(ぬま、ならまだいいか)
生き物が、生きていたものの死骸が、塵芥が、それらが浮かび沈み混ざり混沌を生み出しているならまだいいじゃないか。
生きている ように見えるじゃないか。
(ただ昏い)
澄んだ夜の帷のようにどこまでも見えるのに何もない。綺麗なものも汚いものもない。
生きていると言えるのか。
(どちらでもいい)
死んでても生きててもいいと平気で考えられるから感情がないと言えるのだろう。
(なすべきことをなせれば)
その衝動。
純粋なエネルギーと呼べるのか。
それとも、それこそどろどろにこごった汚泥なのか。
鏡に映る自分の目から、それは見えない。
見えるものしか見せてくれない自分の鏡。
2023/11/03 鏡の中の自分
11/4/2023, 3:25:44 AM