「貴方は可愛いですね」
「え〜、そんなことないよ」
彼はよく私のことを可愛いと言ってくれる。しかし、顔立ちは普通で特に目立つものもなく、愛想が良い方かというと別にそうでもない。
「あなたは私のどこが可愛いと思うの?」
「全て、と言いたいところですが、具体的に言うならば貴方の瞳ですね」
「私の瞳…?色は特別なものではないと思うけれど」
瞳を褒められたことは、今までなかった。私の瞳はありふれた色だし、むしろ珍しい色をしているのは彼の方だ。それでも、彼は私の顔を熱心に覗き込みながら褒めてくれる。
「いいえ、俺にとっては特別です。宝石のように綺麗で、その瞳に俺を映してくれていると思うと愛しくて…」
「そんな風に思ってくれているんだ…」
そう語ってくれる彼の表情は柔らかく、その瞳は星のように輝いていた。きっと、彼だからこそ気づいてくれたのだろう。
「私も、あなたの瞳は星のように綺麗で好きだよ」
「ふふっ、ありがとうございます」
私と彼だけが知っている、お互いの魅力。それこそが、私たち二人だけの秘密だ。
テーマ「二人だけの秘密」
5/3/2024, 10:29:15 AM