霧夜

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現実では、隣に立つに相応しくない私が

大好きな君に愛される、幸せな幻想を。

目を開ければ、見慣れた景色が広がっていた。

...あぁ、もう一度目を瞑れば

あの幻想に、戻ることが出来るかな?

---二作目---

大抵の事では根を上げないあいつが、今日は珍しく夢に魘されていた。
少し気になって、どんな夢を見たの?と聞いてみれば
俺と離れ離れになる夢を見ていたみたい。
話しながら、あいつはポタポタと涙を落としていた。
その様子を見て、大丈夫大丈夫と言いながら、抱き寄せ背中を擦れば、
弱々しくも俺の背中に手を回してくれた。

...こんな事を言うのは最低だと分かっている。
けれど、あまり感情を表に出そうとしないこいつが、俺が離れていく夢で涙し、
甘えてきてくれると言うのは、凄く幸せだ、と思ってしまうのだ。




#こんな夢を見た
190作目

1/23/2024, 10:41:14 AM