風が、びゅう、と私の横を吹き抜けた。
今日は、なんだか向かい風が強いわ。なんて、普段はどうでもいいと感じる事も今は全身で受け止められる。
生ぬるい風がとっても心地よい。
私はフェンスをひょいと飛び越えた。下が、ざわざわと賑やかで、赤いろや、白いろの光がこっちまで届いてきてなんだか少しだけ眩しい。今日は、お祭りがあったのかしら。
前を向くと、青々とした空が見えた。雲ひとつない、快晴だ。このまま、地平線も見えそうな勢いだったけど、このビルが並ぶ都会では叶いそうもない。
ああ、けれど、とっても心地よい。ここちよいわ
私は、1歩足を前に出した。
私は、宙にういて、それから、おちて、おちて。
5/27/2025, 10:45:37 AM