✝しがない高校生✝

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太陽の下で

───激しい雷雨が明けた翌日。
眩い太陽が灰色の雲から顔を覗かせている。

「ねぇ、何を作ってるの?」

台所からふわっと甘い香りと
野菜たちの香ばしい香りがして
僕は何を作ってるのか気になった。

少し覗いてみると僕の大好物の
野菜炒めとアップルパイをお弁当箱に
詰めたものが机に並んでいた。

「あなた、今日は天気もいいのよ」

君は嬉しそうに三人分のおかずを
お弁当箱に詰めながら口ずさむ。

僕は部屋に引きこもっている祐樹を誘おうと
少しぎこちない笑顔で

「祐樹、良かったら外でご飯を食べないか?」

祐樹はしばらく黙ってから口を開いた。

「……分かった」

少しそっけない返事。
だけれど僕は嬉しいような緊張するような…
そんな気持ちになった。

時間を気にしては支度を済ませ、
車に乗り目的地に向かう。

────目的地に着き
風通しのいい草原で敷物を取り出した。
朝から張り切って作ったお弁当箱と
温かい紅茶を用意し、手を合わせる。

「いただきます」

サンドイッチに色々な具のおにぎり、
僕の大好物の野菜炒めに
前に祐樹が美味しいと言ってた卵焼き。

会話は少ないけれど
川の流れる水音や鳥の鳴き声
自然で溢れてて心地よかった。

無理もないよな…焦らずに仲良くなろう、、
と祐樹の様子を疑いながら
眩い空を眺めていると、

「と、父さん、これ美味いから…食べてみて…」

祐樹は小さい声で照れくさそうに言った。
君は安心したような表情でふふっと微笑んだ。

僕は嬉しくて涙が零れそうになるのを堪え
食べかけの甘い卵焼きを口に入れた。

「うん、、うん、、とても美味しいよ!」

───すぐに仲良くなることは難しいけれど
心を開いてくれるまでそう遠くはないかな。

11/25/2023, 11:20:23 AM