ほむら

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「今日は快晴で良かったね」

そう言う彼女はどこか楽しげで、満天の星空を食い入るように見ていた。彼女から聞いた話によると、今夜は大きな流星群が見られる日らしい。俺はそんな彼女の横顔を見て可愛いなぁ、と思いながら空を見上げる。本当に、雲ひとつない空に数多の星が輝いている。

「流れ星に何をお願いしようかなぁ、あなたは何か決めてる?」
「俺ですか?特に何も浮かばないですねぇ」
「えぇ〜、もったいないよ。流れ星が見える前に決めときなよ」

彼女には言えないが、俺はそんな迷信を信じるような性格ではなかった。だから何も願い事を考えていなかったのだ。どうしようかと考えている時、彼女が声を上げた。

「あっ、流れ星!お願い事しなきゃ」

そう言ったかと思うと彼女は静かに祈り始めた。そんな彼女は明るくて、綺麗で、俺からしたら地上の星のように見えた。降り注ぐ星々を見上げながら、俺も彼女みたいに流れ星に願いをかけてみようか、と思い立った。

――どうか、この地上の星と共に在ることができますように。

テーマ「流れ星に願いを」

4/25/2024, 10:33:09 AM