夜、日焼けしたカセットをカチャッとはめる。あの頃、なるべく音を出さないようにと深夜の布団の中でゆっくり開いていた画面を、今はバキバキバキと豪快に開く。こんな年齢になってもまだあの頃に戻りたくなる。肴のスルメを噛みながらゲームの立ち上がりを待つ。Aボタンでゲームを始めればぼくはあの頃に戻れる。先輩に媚びることも、飲みの場を盛り上げることも、恋愛の上手な駆け引きも、大人らしいことは何一つできない。ぼくだけが置いてかれてるような感覚。
7/22/2024, 4:57:39 PM