病院からたった1日で退院してきた。
数日うちでどんだけ水分摂って解熱剤飲んで寝てもあれだけ下がらなかった高熱が、たった一晩、点滴と眠剤とで集中的に寝たら、呆気ないほど簡単に下がった。
昼には退院できるとのことだったので、朝方一度仮眠に戻り、改めて昼迎えに行った。
「お大事になさってくださいね〜」という優しい看護師さんたちの声に見送られながら、前日よりはかなり良くなった顔つきで(それでもまだ足元は若干ふらついているが)歩いて車に戻る。
車に乗った瞬間、はぁ〜と男が深いため息をつく。
「大丈夫か?」と声をかければ「…おん」と小さく声がする。
必要なものは準備してあるので、そのまま真っ直ぐうちに帰る。
玄関に入り振り向き「おかえり」と声をかけると、ぱ、と顔を上げ「…ただいまぁ」と両手を広げてきたので、そのままぎゅうと抱きしめた。
「すぐ帰ってこれてよかった」と言うと「俺もそう思った」と。
「言うてほとんど寝てただけやから、あんま入院の実感ないねんけどな。目ぇ覚まして天井がうちやなかったから、一瞬戸惑ってもうた。何日経ったんやろ?とか思たら、一晩しか経ってなくてびっくりしたけど、熱下がった感覚は自分でも分かってん。……看護師さんらがお前のこと言うとったで」
「え、なんて?」
「いいお友達さんですね〜ずっと心配そうに付き添ってましたよ〜、やって」
看護師さんめ、余計なこと言わんくてええのに。
「…心配した?」
「何を当たり前な
「…俺もなぁ。誰よりも、ずっと、お前のこと愛しとるよ」
ちゃんと伝わってるならもういいか。
そう思って抱きしめる腕に力を込めた。
【お題:誰よりも、ずっと】
4/10/2024, 2:53:19 AM