無気力

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輝く夜、それは月を指しているのか、星を指しているのか、現代に至っては夜景を指しているのか。
静かな部屋から外を眺める。
「どうしたんだい、電気もつけないで」
「ううん、ここからの眺めはやっぱりいいなって」
「新しい部屋気に入ったようで良かったよ。いつでもおいで」
「ありがとう」
そう言って男に抱きつく。
ベッドに倒れ、覆いかぶさる男の後ろからは月が監視している。
いくら高い所へ登っても届かない。
今度はなぜ迎えに来ないのか。
大切な人はいなくなった。
寄ってくる者は皆私の身体が欲しいだけ。
私の気を引くために様々な物を用意する。
―早くかえりたい
月を睨みつける。

『月夜』

3/7/2023, 1:31:45 PM