浦島低浮上

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八日目 もしも未来を見れるなら

 君はどうする、そう訪ねたのは彼だった。
あの時、私はなんて答えたのだろう。あまりに判然としない記憶は、まるで夢のようだ。帯びていたはずの現実味も、今はもう微かにしか残っていない。思い出そう、思い出そうとする度に思い出せなくなり、段々と焦燥を駆り立てられるようになってくる。
当時私が答えた言葉はやはり分からないが、どうせくだらないことを言ったのだろう。それを聞いて彼は声を上げて笑って、そんな彼の姿を見て私も嬉しくなったことをハッキリと覚えている。

もう何十年も昔のことだと言うのに、何度も反芻してしまっている。来世もまた、彼とそうやって過ごすことができるのだろうか。
もし未来を見れるなら、私はそんな素敵な未来が見たい。

4/19/2026, 3:30:34 PM