「…先輩?」
なんとか先輩とのデー…、ううん、お出かけに結びつけた日のこと。
話しながら歩いていたとき、ぴたりと足を止めた先輩に、俺も足を止める。
ただ一点を見つめて微動だにしなくなった先輩を不思議に思っていたら、先輩の頬をつぅと静かに伝ったのは透明な涙。
「…っ、」
言葉がなくなる。
音が消える。
先輩の世界に静かに線引きされた気がした。
何か言おうとした口は、はくと何も言えずにただ意味を失う。
それと同時に痛んだ心臓は奥へ押しやった。
…ああ、先輩は今も何気ない景色に彼を探しているんだ。
透明 君を探して #194
(書いてなかったこの期間結構大きいかも。書けない)
3/14/2025, 1:53:46 PM