「澄んだ瞳」
君たちが初めて私を見つめた日。
消して忘れられない、とても大切な日だ。
不思議そうな目で、色んなものを見て触って。
これからこの子たちの世話で忙しくなりそうだ、などと思いながら私はその様子を見ていた。
実際大変だったのは事実だが、そんなことも気にならないくらいとても楽しくて、明るくて、幸せだった。
君たちもそうだったらいいな。
おやつをこっそりつまみ食いしている時のまん丸なほっぺた。
抱っこをせがむ時に見せる小さくて柔らかな手のひら。
ふとした時私に見せる澄んだ瞳。
その一瞬の連続が宝物だった。
これからもずっと、君たちといられたらどれだけ幸せだろうか。何度もそう思ったが、私の命には限りがある。
君たちのできることが増えるにつれ、
私は少しずつ彼岸へと近づく。
君たちを見る時間が長くなればなるほど、
ずっと一緒にいたいとさらに強く思うようになる。
私がいなくなっても問題ないくらいに成長しても、
昔と変わらず笑顔を見せてくれて、本当に幸せだった。
ただ一つ心残りなのは、最後まで見守ることができないこと。
君たちを、守れなかったものを、ずっと守り続けたかった。
無力な私にできることは、幸せであるよう祈ることだけだ。
どうかせめて、満たされていてくれ。
7/31/2024, 10:00:11 AM