囃子音

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心も唇も乾いて
喉は焼けて
涙すら出ない

どこまでいっても混ざらないふたつの色の
冷えきった砂漠の夜に
疲労はつのって
ただ横たわる

砂のようにぼろぼろの
肌をなでながら
用済みの私は砂に埋もれようとするけれど
どうにもきみばかりに砂が積もっていく

世界の真ん中にあるという
遠くの海を
いつか夢見て
かろうじて

息ができるのは私だけ
唇を寄せられるのは私だけ


2/4/2023, 3:30:59 PM