放課後の帰り道。
吹いた木枯らしの冷たさに、寒いのは苦手だと、君は肩を縮こませながら僕の隣を歩く。
厚手のマフラーで首元を覆い被せているくせに、制服のスカートは膝上までの長さしかないのはいかがなものだろう。
そう指摘すれば、お前は彼女のスカートから覗く生足に、一度でもときめいたことがないんだなと凄まれた。
ごめんなさい。
素直にそう謝れば君はニヤリと悪巧みを考えた子供みたいに歯を見せ、お詫びにそのポケットを貸しなさいと、強引に僕のコートのポケットへ自分の手を突っ込んでくる。
仕方がないので僕も一緒に手を突っ込んで、僕よりも少し小さい君の手を握り返した。
そうしたら再び吹いた冷たい木枯らしが、僕らの肌を突き刺していったので、僕と君は肩を寄せ合いながら、ほぼ同時に寒いともうすぐ来る冬へと訴えたのだった。
【木枯らし】
1/17/2023, 12:34:05 PM