時を告げる
私は叫んだ、夢の中で何かに襲われて必死に助けてと叫んだ。けれど誰も助けてくれない。それどころか周りの人は皆笑っている。高らかな声を上げて笑っている。その瞬間現実を告げる音がなった。
終わったと思った。どうして?なぜ助けてくれないの?なぜ?私の心の中で同じ疑問が何度もリフレインする。人と関わる事が嫌になった決定的瞬間だった。もう嫌だ、誰も信用できない。何かあったら言ってね力になるから、もうその言葉さえ信じられなくなった。力になるって言われても本当に信じて良いのかわからない。悔しかった。
「ねぇどうしたの?ねぇ!」私は体を揺すられて目を覚ました。「何かあったの?」お母さんは私にそう聞いた。「えっ?何で?」私はお母さんが何を言ってるのか分からなかった。「だってあんたを起こしに来たら泣きながら寝てたんだもん」お母さんがそう言った。その瞬間夢を見ていたんだと気づいた。あれは夢だったんだ……良かった。少し安心した。「ううん、何でもない」私はお母さんにそう言った。
9/6/2024, 11:30:14 AM