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手を繋いで:



駅前の通り、よく使うコンビニ、いつもの帰り道。

日が暮れていく路地のあちこちに思い出が散らばっていて、思わず感傷的になりそうだ。

あ、この看板。独特なフォントで書かれていて、お互い読めなくて笑い転げたなあ。

夏の暑い日にはここの自販機でどっちが奢るかじゃんけんなんかもした。

そういえばもう別の建物になってしまったけど、この先にあった店の雰囲気が好きでインテリアを選ぶときに真似したっけ。

いやはや、夕食時のやさしいかおりがノスタルジーに拍車をかけていけない。

一刻も早く家にたどり着きたくて歩みを早めつつ、履歴の一番上にある名前に手早く電話をかける。



「もしもし、もうすぐ帰るよ。何か買っていくものはある?……うん、うん。……わかった。それじゃあまたあとで。だいすきだよ」

3/20/2025, 2:09:50 PM