いつもどおり温かく笑いかけてくれるあなた。
その優しい眼差しに嘘偽りがないことも知っている。
だけど私は、どうしても忘れられない。
何回目かの大喧嘩になったあの夜。
「うっさいな!クソ!」と声を荒げ、
腰かけるベッドに拳を振り下ろすあなた。
その時、いつもは包みこむような安心感のある
あなたの大きな体をひどく怖いと思ってしまったことを。
仲直りをして
あの夜にぜんぶ飲み込んだつもりでいたのに、
その記憶だけが、手ごわい魚の骨みたいに
いつまでも喉の辺りにひっかかって、吐き出すことも、
唾と一緒に体の奥に押しやることもできないでいる。
5/9/2026, 2:23:35 PM