紺屋小町

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クリスマスの時期に、かわいいサンタクロースとスノーマンのキャンドルを買った。
もったいなくて、なかなか火を灯すことが出来ず、玄関に飾っていた。

クリスマスが過ぎても、お正月が過ぎても、そのキャンドルは玄関で笑っていた。
蝋というのはホコリがつくとなかなか取れにくい。
サンタクロースの顔の髭の隙間とか、スノーマンのくびれのあたりにホコリがたまっている。

来年のクリスマスまで置いておくことも考えたが、彼らに夏を越させるのはあまりにも酷だと思い、1月の終わりに火を灯すことにした。

火の灯された二人はとても輝いていた。ずっとこうなることを待ち望んでいたように見えた。
しかし、時間が経つとともにサンタクロースの顔はゆがみ、スノーマンは文字通り溶けていった。
かわいさのカケラもない。
時々、たまったホコリがパチっと鳴ってまるで断末魔の叫びのようだ。
もはや罪悪感しかない。

あれから一度も、キャンドルは買っていない。

11/19/2022, 12:55:56 PM