トクントクンと胸が早鐘を打つ。
誰かを好きになった時の気持ちのよう。
ステージはまだ幕が降りている。
(ああ、もうすぐジェインの舞台が始まる……!)
好きな俳優の初舞台。
その初日に私は運良く席が取れた。
ずっと応援していた彼の初舞台、初演を観ることが出来るなんて、胸が高鳴って仕方がない。
ブザーの音が鳴る。
幕が上がる。
私は泣きそうになった。
3/19『胸が高鳴る』
「別れよう?」
いつもの喫茶店でコーヒーを飲んでいる時、呟くように君が言った。
「え? なんて?」
思わず聞き返すと、君はカップに口をつけて一息吐いたあと、もう一度言った。
「別れようって、言ったの」
「え、え? なんで?」
「あなたを不幸にしてしまうから」
「どういうこと?」
「このまま付き合い続けても、私があなたを不幸にしてしまうから」
「浮気してるってこと?」
その問いに彼女は首を横に振った。他にいくつか質問をしたが、彼女ら首を振るばかりで「あなたが悪いんじゃないの」と続けた。
それからもとにかく「別れよう」ばかりで埒が明かなかったので、とうとう僕は頷いた。
僕が頷くとようやく、彼女は今日初めての笑顔を見せた。
「そう? ありがとう」
僕は彼女と別れることに未だ腑に落ちない気持ちを抱えながら、彼女との最後の時間の伝票を持った。
3/18『不条理』
泣かないよ
きみが振り向いてくれるまで
泣く時はきみがぼくを見てくれたときだ
3/17『泣かないよ』
君はとても怖がりだ。
約束を怖がる。
手を繋ぐことを怖がる。
「好き」と言われることを怖がる。
日々のことに怯えて
でも僕はそんな君のことが好きで、
君の怖がることだけど、
ひとつだけ「約束」させてほしい。
そんな怖がりな君をずっと「好き」でいること。
怖がらせるのはわかってるけど、これだけは譲れない。
愛してるよ。
3/16『怖がり』
3/20/2026, 9:54:54 AM