「あ、すいません…。」
俺は通行人を避けながら、交差点に落ちていたゴミを拾った。
誰かのためになるならば、と思って続けてきた習慣だが、中には不審者でも見るような、うろんな目で俺を眺める奴もいる。
近所のじいさんは、よく声をかけてくれるが、区の吸い殻パトロールの親父は、ライバルが出現したとでも思うのか、完全無視だ。
小学校の旗振りのオヤジも、俺を見て見ぬふりをする。
「何でそんなことしてるの?」と、明らかに不審の目を向けてくるやつもいる。
だが、俺の毎朝の働きのおかげで、カヤが生え放題だった都会の交差点は、すっかり綺麗になった。
いいことをして何が悪い!と俺は言いたい。善きことに不審な目を向ける奴は、魂レベルが低いんだと思っている。
【誰かのためになるならば】
7/27/2023, 12:14:18 AM