たちばな

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「ずっとこのままでいたいな」
「あなたとこのまま繋がっていたい」
「だいすき」
「あいしてる」
「やっと、あなたとこうして繋がれたの」
「離れ離れになんてなりたくないな」
「もうずっと、明日なんて来なくていい」
「恋人になるとか、結婚するとか、じゃなくて。その先の、ずっと遠くて、深いところ。私はあなたと、そこに行きたかった」
「繋がったまま、生きていたい」
「私の夢は、今日、叶ったの」
「愛してる」
「わかるかな?あなたの血が、私の血になるの」
「あなたの心音がわたしの心音なの」
「この痛みも、膿も、腐りも」
「軋む骨も、わたしのものであり、あなたなの」
「一緒に生きて、一緒にいる。病める時も、健やかなる時も」
「全ての瞬間を、あなたと共有するの」

血溜まりが広がる。いくら縫い合わせても、腑は、血は、溢れ出す。断面から爛れ、膿み、虫が湧く。体はいつか腐る肉塊でしかない。心は、脳が見せる幻想でしかない。けれど。愛はここに確かにある。わたしの腹に縫い付けたあなたの身体を抱きしめる。あなたの身体はもう生きていない。あなたの心も、きっと動きを止めてしまっただろう。抱きしめる腕に力を込めるほど、腹から血がぼたぼたとこぼれる。愛は、この傷みだ。この愛は、この傷みだ。

「あいしてる」

この傷みを、愛している。

1/13/2023, 6:41:31 AM