27(ツナ)

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「記憶の海」

誰にでも、思い出したくない記憶はあるだろう。
わたしの記憶は海のように果てしなく膨大だ。

ふとした瞬間、高波のように思い出したくもない嫌な記憶が押し寄せる。
わたしの気持ちとは裏腹に、わたしの中の記憶の海は否応なく思い出させる。

海の奥底に沈めてやりたい。
けれど、忘れたい記憶はどんなに沈めても沈めても、忘れた頃に浮かび上がってくる。

いっそのこと、記憶の海を消してしまおうか。
わたしは壁に頭を叩きつけた。
すると、額が少し切れて海水が流れ出た。

5/13/2025, 10:51:45 AM