『どこにも書けないこと』
隠ぺいしたはずの不祥事やもみ消した後の不始末すら
何かの拍子に表沙汰になってしまう昨今
壁に耳あり障子に目あり、とはよく言ったもので
情報社会となった現代に置いて真に閉じられた場所など
何処にもありはしない
故にそれが悪いことだと自覚があるならば
やっぱりするべきでは無いのだろう
私は白紙のノートを見つめ、溜め息をつく
なんの変哲も無いノートは日記帳代わりに使っているもので
買い換えてからずぅーっと白紙のまんま
昔は些細な日記だったそれも気付けば愚痴と嫌味の溜まり場に
誰に見せるものでも無いけれど、
連日の不祥事報道に臆病風を吹かれた私はピタリと書けなくなった
もやもやとする気持ちを温かいカフェオレで飲み込み、
きっと今日も白紙のままのノートを静かに閉じた
2/7/2024, 9:51:25 PM