# 18 父
オギャーと泣いた日から私の旅が始まった
いつまで続くのか分からない旅
いつも隣には父と母がいて
同じペースで歩き進む
楽しい時もあれば辛い時もある
旅って色々なことがある
やがて隣に自分のパートナーも増え
子供も増え一緒の旅路を行く
ある日 隣を歩いてる父が立ち止まり
私はここからもう動けない
お前は旅を続けなさい
そう言われ 涙を振り払い
私は歩いていく
旅を続けていくと
途中で立ち止まる人が増えていく
その度に立ち止まる人から背中を押される
私は後ろを振り向かず足を動かし旅を続ける
気がついた時には私は後ろを振り向く余裕なんてなくなった
ただ歩むのに精一杯
きっと父とはかなり離れてしまっているだろう
もう姿すら見えていないかもしれない
度の途中そんな事を考えたりした
そしていつ終わるのかも分からないまま
この旅を続けるのだ
しかしある時、私は立ち止まった
そして自分の子供に
私はここからもう動けない
お前は旅を続けなさい
父と同じ事を言い
大きくなった子供の背中を見送る
こうして私の終わりなき旅は終わった
ようやく後ろを振り向く余裕が出来たのだ
後ろを振り向くと
すぐそこに立ち止まった父がいた
案外近いところにいるもんだな …(笑)
【完】
━━━その後酒盛りが始まる>ᗢᘏڡ━━━
【終わりなき旅】
5/30/2024, 11:03:42 AM