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海へ

『青は進め、赤は止まれ』

晴人「はぁはぁはぁ%#^:~"•✕_-」
久々に重たい体を動かしたせいだろうか、呂律がぶっ飛んだ。
裕二「あぁ?なんてぇ〜?」
俺も同じセリフを言うだろうというセリフを裕二に言われた。
晴人「だからぁ、もうすぐぅ、夜だってのにぃ、どこまでぇ、いくんだぁょ」
息が整うのが永遠に訪れないかのような声が出た。
裕二「そりゃ決まってるだろ」
こんなけ走ったんだ、大した理由じゃなきゃ俺の拳は人生初火を吹くことになるだろう。
裕二「あっ!青になった、行くぞ!」
晴人「ちょぉっおいぃ!」
大事な部分だけ言わずに裕二は走っていく。
しかも陽気に白い線の上だけを踏んで。
晴人「なんなんだよぉ〜」
俺もそう言いながら裕二の進む方へと走っていく。
しかし少しの反抗心で白い線は踏まずに。


裕二「ふぅ〜よし!着いたぁ!!」
節々が痛い体を持ち上げて、目の前を見る。
晴人「おぉい、裕二ぃ」
俺は火を吹く準備をした。
裕二「なんで拳出してんだよ」
裕二は今一番口にしてはいけない言葉を放った。
晴人「そりゃぁ、そうだろぉ!こんなけ走ってぇ、ただの海ってぇ、まじでぇ、いくぞ!」
絶え絶えの声で言葉を放った。
裕二「まぁ待てって、え〜と」
そう言って裕二は腕に巻いている腕時計型のスマホを見た。
裕二「あと5分!あと5分だけ待ってみろ」
なにがあるのか理由がわからなかった。
晴人「299秒、298秒、297秒、」
俺は火を吹くまでのカウントダウンをはじめた。
裕二「あはははは、なんのカウントダウンなんだよ」
295秒後にはわかるだろう。


晴人「10、9、8、7」
俺がずっとカウントダウンをしている間裕二は呑気にスクワットをしていた。
憎たらしいやつだ。
晴人「6、5、4」
裕二がやっと口を開いた。
裕二「来たぞ、ほら見ろ」
晴人「3、2、あぁ?」
俺はカウントストップしてただの海の方を見た。
すると、、、
絶句、感動
裕二「ふふん!すごいだろ」
そこには、青いはずの海が真っ赤に染まっていた。
まるで海外の知らない地に来たような感覚に陥った。
人生観が変わるほどの感動が押し寄せる。
晴人「これは、、」
裕二「マジックアワーってやつだ」
今日はこの海のように火を吹かないことにした。
晴人「ありがと」
俺の顔が少し赤らむ。
裕二「あぁ?なんてぇ〜?」
バレてない、マジックアワー万歳。
晴人「何も」

8/23/2024, 11:30:02 AM