霧夜

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身体が熱い、特に顔の辺りが。

普通なら冷めて欲しい、そう願う筈なのに。

どうしてだろう。

今はこの頬の熱さが、苦しいくらいに早くなる胸の鼓動の感覚が、

どうしようもなく心地いい。

嗚呼、どうかこのまま、心地いい熱さに酔いしれさせて---。

---二作目---

あいつは心配症だ。
...と言うか普通に過保護だ。

少しのかすり傷程度でも凄く心配してくる。
「痛くないか」とか「絆創膏貼ろう」とか「なんなら保健室行くか?」とか。
その言動と表情は全く噛み合ってないけれど。

今回だって、ちょっとした微熱を貰ったと言うだけなのだが。
俺諸共態々学校休んで、こうしてあいつは俺の事を看病してくれている。

正直言って体は辛いしベットからは動けないわで散々なのだが...。

「大丈夫か?...何かあれば直ぐに言ってくれ。俺がこうして手を握ってやるから、そばにいるからな」

こうしてあいつに心配されて、看病してもらえて。それに加えてずっと傍に居られるなんて。

救い上げてくれるお前がいるから、...たまにはこの熱に溺れても、いいと思ってしまうじゃないか。

#微熱
130'

11/26/2023, 10:36:12 AM