何も言わずに、ただ夜に侵食されていく景色を眺めている。君も何も言わないで、ただまっすぐ前を見据えている。何を考えているかはわからない。けれども君に触れている左腕だけは、どこまでもあたたかい。私の一番好きな時間。ずっとこの時間が続いてほしいと思うが、そうもいかないのがこの世の決まりである。永遠なんて、ないけれど。せめて今だけは、君の時間のほんの一匙を、私にください。
9/28/2025, 10:55:10 AM