村人ABCが世界を救うまで

Open App

よく笑う元気な娘だった。嫉妬深いけど分かりやすく喜怒哀楽を示してくれるから、面倒くさいこともない。
母の知り合いの娘だって言うから、話を合わせるつもりで付き合っていたけど、大学も同じ年齢も一緒じゃ、どうしたって同じ時間を過ごすことになる。

免許取り立ての先輩と一緒に夜の高速に乗ったり朝までカラオケしたりファミレスでだらだらしたり。色んな知り合いができていくから忙しないけど退屈しない時間だったな。


春の風がビルを吹き上げてくる。遠くに複雑な路線の半地下の駅が見えた。
今彼女は新しい彼氏と電車に乗ったところだ。
元気そうじゃん。
「そうだね」
「えっ」
「ん」
和樹も七海も、今は2人とも現代人のような格好をしている。紺と黒のジャケットに、スニーカー。ラフな休日パンツスタイルだ。身体にはまだ生々しい跡があるが痛みはほとんどない。
「今おれ口に出して言いましたっけ?」
「言ってたよ」
隣に座る女性が同じように春風に吹かれながら、大学生のままの彼女を見下ろしている。

時間が経ちすぎたように思う。
人混みに流れていく大学生の彼女と自分たちは違うのだ。

なんでか今の自分のリーダー…つまり社長?と仲がいいのが微妙っちゃ微妙なんですけどね。う。胃が痛い。

過ぎ去った日々

3/10/2026, 5:38:03 AM