名勿し

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視線の先には、何にもない。
真っ暗な暗闇が広がっている。
そんな気がする。

足を踏み出す事すらも、恐れてしまうくらいに、
暗くて怖くて苦しくて、息が詰まる様な暗闇が、
視界を塞いでいる様で。

明日を生きるのが怖くて、
朝が嫌で。
夜に逃げたいけれど、
夜はこんな私を味方してはくれない。
気が付けば日が昇っている。

朝日が目に入ると、消えてしまいたくなる。
あまりにも綺麗で、綺麗すぎて、

死にたい訳じゃない。
消えてしまいたいのだ。

すぅっと、誰にも気付かれず、
誰にも迷惑をかける事なく、
氷が溶ける様に忘れられたい。

私の視線の先は、
いつまでも夜空を求めている。

7/19/2023, 11:50:25 AM