ゆらゆら揺れる目前の灯火。ほんの少し息を吹きかけただけでも消えてしまいそう。もしこれが私の寿命だったらば。確かそんな昔話を聞いたことがあったっけ。大切に守り抜くのだろうか、果たしてそれとも。フーっと勢いよく息を吹く。途端に湧く歓声。「誕生日おめでとう!」鳴り響くクラッカー音。そうか、これは祝福の炎なのだ。今こうしている間もどこかで命の灯火は消えてゆく。何だかとっても皮肉めいていて、私は一人ほくそ笑んだ。
11/19/2024, 8:52:13 PM