『夢が醒める前に』
ねえ、どうしてそんなことを言うの。
どうしてそんな態度を取るの。
不満そうに。
つまらなそうに。
舌打ちなんかして。
そして時には、こちらを無視して。
私が淹れた淹れたコーヒー、そんなに不味いかしら。
ちょっとした隠し味を加えたのだけれど、気がついた?
ああ、もう潮時なのかもしれない。
恋って、大いなる勘違いから生まれるんだって、母方の叔母さんが言ってた。
大事なのは、それを本物に変えられるかどうかなんだって。
それじゃあ、これは偽物なのね。
勘違いで始まって、偽物のまま終わるのね。
――なら、片付けないと。
紛い物を手にしたままじゃ、本物を手に入れられないもの。
儚い夢だったわ。ほんの束の間、幸せな瞬間もあったけど。
完全にこの夢が醒める前に、不要なモノは処分しなくちゃ。手の中の薬包と一緒に。
もうすぐ、ただのゴミになるのだから。
3/21/2026, 5:02:40 AM