『流星に願いを』
「あ、流星」
「えっ?!どこどこ?」
1人呟いた私は、そっと願いを唱えた。
その願いをかき消すほどの声をあげ、きょろきょろ夜空を探し回る君は、しゃがみ込んで残念そうな声を上げた。
「って、もう見つからないよなぁ」
「残念だったね」
「ずるい!どこ見てるのか教えてくれなかったから!!」
「えー?予知じゃないんだから、別々のところ見てた方が確率高いじゃん」
「やだ!見たかった!」
「大丈夫大丈夫。また流星来るって」
「………。…願い事、出来た?」
「……。うん」
「なんて願い事?」
「教えない!」
「えー!?」
流星に願ったことは、
誰かに教えたら効力が消えちゃうんだって。
だから、これは教えない。
大切な、
気の置けない友人の君にだって教えてあげない。
この願いが叶うなら、他には何も望まないから。
お願い、叶えてくれるといいな。
4/26/2024, 4:10:16 AM