「あけおめーっ!」
「うるせぇ。……まぁ、おめでと。」
新年早々喧しい友人達と落ち合って、大きめの神社に初詣に来た。それはいいのだが、新年だからなのか、日頃から煩い友人は輪にかけて煩さを増している。
やけに耳に残る雅楽を聴きつつ、長い長い参拝の列に俺達も加わった。
「あ!あそこフルーツ飴ある!俺りんご飴食べたい!」
「お前いつもりんごが不味いって言って残すだろ。却下。」
「まぁまぁ……あ、ほら。いちごとかあるよ?そっちにしたら?」
幼稚すぎる一人と、冷静すぎるもう一人は相変わらず相性が悪い。適当にその場を宥め、3人でぎゃいぎゃい騒ぎながら、ゆっくりと進む列が消化されるのを待っている。
「ねー、2人はさ。お参りで何お願いすんの?俺はねー、億万長者になりたい!」
「……それ言ったら意味なくなるんじゃなかったっけ。」
「うそー!?」
コントのような掛け合いを、喧しいとは思いつつ、なんだかんだ笑顔で見守る。ころころ変わる表情は見ていて飽きないし、冷静すぎるツッコミがシュールで謎の笑いを誘ってくる。
「まぁ、どうせ叶わない夢だし変わんないって。ほら、前進んだよ。」
「さらっと今酷いこと言った?」
じりじりと、列が進んでいく。屋台から漂ってくる香りの誘惑に負け、一人ずつ交代で買ってきたりもした。
「結局いちご飴にした!」
「……まぁ、残さないならいい。」
ぶっきらぼうに言いつつも、口の端に付いた飴を拭いてやっている。なんだかんだ気の利く奴だ。
「お、そろそろじゃん?」
気付けば、あと2、3人で俺達もお参りができそうだった。何も考えていなかった俺は、慌てて願い事を考える。
「……よし!」
3人で賽銭を投げ、二礼、二拍手、一礼。俺が一番最初に願い事が終わって、顔を上げた。2人はまだ願っているようで、頭を下げている。
その顔を見ながら、俺はまた頬が緩んでしまった。
(……ずっと、3人で居られますように。)
もう一度神様にお祈りして、ようやく顔を上げた2人と一緒に、もう一周屋台を周りに足を向けた。
テーマ:新年
1/2/2026, 7:20:07 AM