終わらせないで、この悪夢を。
君の熱を帯びた甘い匂いで 私は酩酊する。
なんて美しく純粋な君の心。
私は泣きそうな君に囁く。
このままもっと深くまで、二人で沈んで行こうか。
私を見上げる君は不安気に、掠れた声で呟く。
微熱に浮かされた私に気づかず。
…もう何もわからない。
それでいいさ。
怯える君の目を優しく塞いで、ゆっくりと耳に言葉を流し込んでやる。
何も心配いらない。私は君の味方だ。
君の口角が安心したように上がった頃。
私の悪夢が君を侵食し始めた頃。
私は麻薬のような君を抱きしめた。
躊躇いながら背中に回される君の腕を感じて、途端に胸が幸福感で満たされる。
君が死ぬときは、できれば私のせいであってほしい。
それ以外はどうでもいいと思えた。
11/28/2023, 2:01:34 PM