小さな命
「ふぅ…」
家庭環境が劣悪の中、中学生の私はまともに育つ訳でもなく、今日もタバコを楽しく吸う。
そこには小さな命のガキだって、私をキラキラとした目で見つめている。
「ん…、何。お前もこれ、気になるの?」
「お姉ちゃん、なーに?それ。」
片手にくまのぬいぐるみを抱えながら、小さな手で私の手を掴む。
「わぁっ……、危ないぞ?これ、火だから。」
「ひ?危ないの?」
そっか。こいつ、親にまともに教育されなかったのか。
このぬいぐるみだって、私がクレーンゲームで誕生日プレゼントとしてあげたやつ。
私とこいつの親は喧嘩か、浮気をするだけ。
「お前、親は好きか?」
私は優しく、こいつの目線と合わせて聞いてみた。
「んー?大好きだよ!おかーさん、優しいもん!」
無邪気なこいつの笑顔に私は何か気付かされたような感じがした。
「小さい命の目は盲目なんだな。」
2/24/2024, 10:27:21 AM