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雨がドボドボと灰色の空から降ってくる。今日は天気予報を見ていなかったから、お母さんが外に洗濯物を干していた。洗濯物大丈夫かな。
「こら、そこ。窓の外見ない。」
先生が私に向かって注意をした。はぁい、とだるそうに返事をしたら、先生は「気をつけるように」とだけ言って、また黒板に文字を書き出した。視線をまた、窓の方に向ける。窓際の君が、また他の人を見ていた。溜息をついて、窓際の君を見る。君が、少し私の方を見た…気がした。でも、他の人を見ていることには変わりがない。もし、両思いじゃなかったら、片思いだったとしたら、辛くて苦しくてたまらない。不安で胸がいっぱいになる。吐き気がしそうな程胸が苦しい。雨が降っていると、さらに気分が落ちる気がする。最悪だ。そんなことをぐるぐると考えていると、キーンコーンカーンコーンとチャイムがなった。委員長の起立、礼の後に、ありがとうございましたー、とそれぞれが言って自然と周りが散らばっていく。友人が私の机に来て、私の肩をぽんと叩いた。
「今日あとから晴れるってよ。それに、大丈夫。両思い。きっと。」
「ありがと。安心した。」
少し和らいだ不安と、友人のくれた安心を胸につめて、まだ吐きそうな程の不安をそっと心の奥にしまう。
「大丈夫。きっと、大丈夫。」
窓際の君は、まだ違う人を見ていた。

1/26/2023, 10:13:08 AM