ぽつりぽつりと遠くの家々に灯がともり、時おり電車の窓の四角い明かりが連なって、右へ左へ流れていきます。
音もなにも聞こえませんが、あそこにはちゃんと人がいて、自分とはなんの関係もない人なのですが、確かに生きているのです。
自分と同じように息をしているのです。
考えてみると不思議なものですね。
一生懸命働いた人や、勉強した人。病気の人を見舞う人、病院帰りの人。嬉しいことがあった人、悲しみに沈む人。
わたしはどれでもない人ですが、あしたはこのどれかかもしれません。
ぽつりぽつり、町の明かりが増えていきます。夜のはじまりです。
今日という一日が閉じていきます。
この静かな夜が、安らぎのひとときとならんことを。
#街の明かり
7/8/2022, 1:24:31 PM