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閉ざされた日記


時に、日記は色んな理由があって、その続きを書くことをやめてしまう。たとえば、飽き性で続かないだとか、毎日書くことが一緒でつまらなくなっただとか、書く必要性を感じなくなっただとか。時には、やめざるを得ないような事情ができたとか。そうして、日記を書くことをやめて、いつしか棚の奥へと押しやられ、開くことすらなくなっていく。
そんな閉ざされた日記たちが集められたここは「Dear」と呼ばれる日記の博物館のような、図書館のような場所だ。
さまざまな日記が各地から集められて、無機質な本棚を色鮮やかにうめつくしていく。ずいぶんと古いものから、比較的新しめのものまで種類豊富に揃っていた。
中を読めば、そこにはその人の一日が、数ヵ月が記されていて、その人から見る世界を見れるような気がして好きだった。
何冊にもわたるような日記には、その人の半生が書かれていて、ノンフィクションの小説と何ら変わらない。
ただ、その人の一部がここに、閉じ込められて眠っていた。
また一冊日記を読み終えて、ふと窓の外を見る。夕暮れの空が切なくて、美しくて、今のこの感情を忘れないように、自分の日記に記す。
いつか、誰かがこれを読むかもしれないと思うとなんだか変な感じがするけれど、この気持ちごと残しておきたかった。
日記に今を閉じ込めて、次会うときまで、おやすみなさい。

1/18/2023, 2:24:15 PM