なまえ

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散歩から帰る途中で本をかりて帰ることにした。
散歩は気分転換であり、嫌でも自分と向き合わなければいけない時間でもあった。

僕は自分と向き合い過ぎすると答えの出ない問題に衝突してしまうので、一刻も早く物語で頭の中をいっぱいにしたかった。
正面の出入り口から真っ直ぐに進み子供向けの図書コーナーが見えたらそこへ向かって右手に折れる。
これが僕の好きな小説家のコーナーへの最短ルートだった。
好きな小説家のコーナーをゆっくりと巡っていくと、見慣れた司書の女性が本棚を整頓している。
僕が付き合っていた彼女の母親らしき人だったが、僕には気がつかない様子だった。

10/26/2024, 12:52:29 PM